理事長

社会に関心を持ち、
考え、判断し、行動する
こども達を育てたい。


NPO法人 NEXT CONEXION

越智大貴さん 31歳

Ochi Hirotaka


出身学校 愛光中学校
愛光高等学校
愛媛大学
愛媛大学大学院卒

こども達の失敗やチャレンジを、寛容に認めてあげられる社会を作っていきたい。

こども達に社会参加に興味を持ってもらう。

「NEXT CONEXION(ネクストコネクション)」では社会の仕組みを学びながら、こども達が政治や社会に興味を持ち、主権者意識や市民意識を育む活動を行っています。
 僕はいろいろなところに出向いて講座を開いたり、教育プログラムを実施する活動が中心です。NPO法人になる時期、18歳選挙権の導入を翌年に控えていたため、高校で選挙に関する講演も多かったですね。現在、中高生のスタッフが約30人、大学生のスタッフが約10人、あわせてボランティアスタッフが40名程います。スタッフのほとんどが松山在住なので県内の活動が中心ですが、呼ばれればどこにでも行きます。
 中高生スタッフが行っているイベントの一つが「こどもタウン」です。これは仮想の街を作って、お仕事をしたらお金がもらえるという、いわゆる「キッザニア」のようなもの。でも僕らはお仕事体験ではなく、税金を払ったり、選挙があるといった社会の仕組みを、みんなで体験しながら学ぶ部分に重きを置いています。自分でやりたい仕事を選び、体験する、そういった活動を通じてこどもたちに社会参加に興味を持ってもらうことが目的なんです。中高生は普段学校などで社会の勉強をしていますが、それをこども達(小学生)に教えることで、より学びを深められます。前回のこどもタウンの参加者は70人を超えました。去年このイベントを始めた時には30人くらいだったので、ニーズがあると感じています。
 もう一つが中高生から提案があって始めた「ボーターズカフェ」です。こどもタウンと世の中をつなぐプログラムで、こどもタウンの街の課題などをみんなで話し合って解決していくものです。

こどもタウン①裁判の様子。社会のルールを守ることの大切さを学び合う。

「どうして勉強しているんだろう?」と疑問に思った。

高校の頃、「どうして勉強しているんだろう?」とふと疑問に思ったんです。周りは東大や医学部を目指して当たり前に勉強をしているのに、僕にはそんな目標がないから勉強する意味が分からない。でも、周りにそんな悩みを持った人がいないから、変わった悩みだと一人葛藤していました。それが、教育実習に行った時、高校生から同じ悩みを聞き、学校という小さな社会じゃなく、もっと大きな実際の社会とつながる中で、自分の将来などを考えられる場があったほうがよいのでは?と考え、始めた活動なんです。こどもの頃から政治や社会を楽しく学びませんか?というもの。社会とつながる体験や経験を重視したほうがより実戦的で面白いと思って、「こどもタウン」や「ボーターズカフェ」などの活動を行っています。
 出前講座などで県内の学校を回っていますが、学校によっては、議論する力やコミュニケーション能力がとても高いですね。議論に積極的に参加するし、楽しんでやっていますね。

VCK①テーマにあったゲストをお招きし、講演を聞く機会。※VCK→Voters Cafe Kids

自分で考えて主体的に動くというのが大切なこと。

最近うれしかったのは、周りの方が中高生の活動を理解してくださるようになってきたことです。「みんながんばってるよね」と声を掛けていただきます。僕が前に出るのではなく、中高生のスタッフが社会に出ていくのをプロデュースしている感覚。そういう意味で、自分は教育者だと思います。ただ、どこまで学生に任せて、どこから関わったらよいかというバランスは難しいですね。
 選挙への参加も強制しません。自分で考えて主体的に動くというのが大切なことですから。NPO法人としては啓発活動をやっていかなければならないという側面はありますが、まずは「自分達も主権者の一員」ということを伝えていきたいと思っています。18歳選挙権だって、こどもが望んで始まったものだとは言い切れないところがあります。それなのに、「権利をもらったんだから義務を果たしなさい」と学生を置き去りにしていることが問題なんです。それを言うならば、社会はこどもを18歳になるまでどのように育てていくかという責任を負うべき。そういった環境を作ってあげられるのは地域や社会の大人だけです。

講演①全校生徒の講座でも、できるだけ生徒に話しかけるように心がけている。

情熱を燃やせることを一生懸命がんばってほしい。

3年間、高校で社会を教えていました。教員として別の学校に入ってみると、生徒が先生に管理されている部分が大きいと感じました。
 日本は、こどもをこども扱いし過ぎていると思います。もっと自由にやらせてあげたら自立心が育まれ、責任感を持った大人になっていくのに。まだまだ日本にはちょっと失敗したらダメ!という風潮があります。でも、大人になってからは許されない失敗も、中高生の頃はいっぱいやっていい。失敗経験も成功経験と同じように大事です。こども達の失敗やチャレンジを、寛容に認めてあげられる社会を作っていきたいですね。
 中高生の皆さんに伝えたいのは「よく学び、よく学べ」ということ。自分の情熱を燃やせることを一生懸命がんばってほしいです。

      

Q.子どものころの夢は?

A.教師


Q.仕事内容は?

A.社会のしくみを楽しく学び合う場づくりをしています。


Q.仕事でうれしかったことは?

A.中高生スタッフの成長や、活動の幅が広がっていると感じるとき


Q.仕事で大変なことは?

A.書類の提出など、事務作業が多いところ


Q.必要な資格は?

A.特にはないが、教師免許があればよい


ある1日

7:30 起床

9:30 始業

12:00 昼食

17:30 終業

19:00 夕食

24:00 就寝

住所 〒791-8014 愛媛県松山市山越1丁目15-33
創業 2014年
従業員数 ボランティアスタッフ約40名
URL http://www.nextconexion.org

こども・若者とよのなかをつなぐ活動から、地域交流・活性化につなげる活動
教育機関や社会福祉施設と協力した学びの提供
行政機関等からの委託事業など

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