宗教家
好きなこと、やりたいことに
敏感であり続ければ、
おもしろい転がり方をする。
第五十七番札所 府頭山 無量寿院 栄福寺
白川密成さん 40歳
Shirakawa Missei
出身学校 | 玉川町立玉川中学校 愛媛県立今治東高等学校 高野山大学卒 |
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仏教を受け取って、それを 「受け取りやすい形」にして 誰かに渡すこと。
「みんな意外と仏教やお寺がすきなんだな!」
祖父が住職で、父は高校の先生、兄がいて、誰も「跡を継げ」とは言わなかったんですが、そうなるとやりたくなる(笑)。家業を継げば喜んでくれるかなというのも子ども心にあったと思います。高校卒業後、高野山大学に進学して4年間学びました。高野山は印象的な場所で、あの4年間がなければ今の活動はできていないと思います。
住職になって初めてのお葬式で、道場で習ったお経を葬儀場で唱えた時に、自分がその場所で大切なことをしているなという実感があり「この仕事でやっていける」と思いました。
住職の仕事がよくわからない頃、ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)を見て勇気をもらっていました。好きな人とはつながりたい性格なので、糸井(重里)さんにファンメールを送って「文章を書きたいです」『企画提出あり』の表題をつけて送ったら「文章を見せてほしいです」と返事が来て、書いて送ったら「ぜひやってほしい」ということで、2001年から8年間、231回の連載になりました。内容は初めてお葬式に行きましたとか、お盆はこんなことをやっていますといったもので、一番反響が大きかったのが、仏前結婚式のお手伝いをした話です。「こんな結婚式があるのならお寺で挙げたい」といったポジティブな意見がたくさん来て、「みんな意外と仏教やお寺がすきなんだな!」と思いました。それが『ボクは坊さん。』という単行本となり、宗教書としては異例の売上げとなりました。その後、2015年に映画化され、仏教をわかりやすく楽しく紹介できたと思います。
「起きるを生と名付け、帰るを死と称す」
大事にしているのは弘法大師の言葉で「起きるを生(せい)と名付け、帰るを死と称す」です。「人が生きるというのは朝起きるようなものだ。死というものは終わりではなく帰っていくことなんだ」という意味です。仏教を受け取って、もっとわかりやすく伝えたいですね。心がけているのは、言っていけないことは言わない。可能な限り明るい雰囲気にするということです。
中高生の皆さんは、自分が何が得意か気づいていないこともあるので、常に好きなこと、やりたいことに敏感であり続ければ、おもしろい転がり方をするんじゃないかと思います。
Q.子どものころの夢は?
A.本を書くこと
Q.仕事内容は?
A.仏教の勉強、仏教の修行、境内掃除、儀式参加、執り行う。法事・葬儀
Q.仕事に就いたきっかけは?
A.子どものころから、漠然と「いいなぁ」と思っていましたが、祖父が住職であったことが大きいです
Q.うれしかったことは?
A.自分が役に立ったと感じるとき
5:00 起床
おつとめ(本堂)
食事
納経所で働く
本の執筆
仏教の勉強
檀家への案内
掃除
法事 等
22:00 就寝
住所 | 〒794-0114 愛媛県今治市玉川町八幡甲200 |
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創業 | 弘仁年間(810〜824年) |
従業員数 | |
URL | http://www.eifukuji.jp |
瀬戸内海沿岸のこの近海では、海難事故が絶えなかった。栄福寺は、弘法大師が海神供養を修したことから、海陸安全、福寿増長の祈願寺として往古から信仰されている。