高校教諭
指導より一緒に楽しむ。
愛媛県立今治西高等学校
櫛部隆志さん 52歳
Kushibe Takashi
出身学校 |
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もっと自由に俳句を楽しんでもらいたい。
様々な出会いの大切さを実感
幼い頃から思索と創作が好きでした。漫画や音楽、詩の創作に耽る中で俳句に出会い、たちまち虜になったのです。有季定型の器に、いかに自分の思いを凝縮させるかに没頭しました。
私自身、俳句は高校1年から始め、朝日、読売、毎日新聞などの俳句欄に投稿して、掲載されたらファイルしていました。そのような一人だけの取組を応援してくれたのが、当時の高校の担任で国語の先生でした。先生は自分の悩みや考えをぶつけると真正面から受け止めてくれたのです。この恩師との出会いで、私も先生になり、愛媛の高校生に俳句の面白さを伝えたいと決意しました。
そして、伯方高校に赴任して3年目に夏井いつきさんとの運命の出会いがありました。また、第3回俳句甲子園は初出場、初優勝の喜びに出会いました。顧みると、様々な出会いの大切さを実感します。
その後、松山中央高校に赴任して3年目の第12回大会でも優勝しました。もちろん両校とも俳句部は無く、ゼロからの積み上げでした。勧誘のときには、感性のキラリと光る生徒をつかまえて、「君の力が欲しい!」(笑)と声をかけたものです。
どんどん成長していく、頼もしくなっていく。
部員たちが俳句を作っていく中で、急激に進化する姿を間近で見られるのが俳句甲子園です。俳句甲子園の一戦一戦の間でもどんどん成長していく、頼もしくなっていくのを感じますね。部員を指導しているつもりはありません。一緒に楽しんでいます。
句会は名前を伏せて行いますので、自分の作品が一点も選ばれないときもあります(笑)。それどころか、部員が「この季語を他の季語にしたらもっとよくなる」と鑑賞した句の作者が私だったり(笑)。それも楽しいですね。
高校生で俳句というとイコール俳句甲子園になっていますが、もっと自由に俳句を楽しんでもらえたらと思います。俳句は読み手の解釈で一人歩きをします。作者の意図とは違って鑑賞されることで世界が広がることがありますから。
俳句の醍醐味は句会です。年齢や立場は一切関係なく、俳句に浸れるのはすごく楽しいです。夢は、俳句甲子園に出た部員が愛媛の教員になって、先生の立場で俳句甲子園を指導していく姿を見ることです。
第22回俳句甲子園の戦いを終えて
「一生懸命自分たちの句を信じて最後まで戦い切ることができました。予選で2勝できたのがうれしくて、敗者復活戦にも残れていい経験ができました」(石村優奈)「質疑に全員が手を挙げるという目標も達成できました。俳句甲子園の活動すべてを誇りに思ってこれからの人生につなげていきたいと思います」(渡部瑠々奈)「生徒たちはそれぞれの持ち分を活かしてよくがんばってくれました。決勝トーナメントには進めませんでしたが、創作もプレゼンもいい結果が残せたと思います。これを糧に来年がんばります」(櫛部教諭)
住所 | 〒794-0055 愛媛県今治市中日吉町3丁目5番47号 |
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創業 | 1901年 |
従業員数 | 938名 |
URL | https://imabarinishi-h.esnet.ed.jp |
徳・知・体の調和のとれた健全な心身の発達を目指し、個性豊かな人間の育成を期する。温かい人間性と豊かな社会性を身に付けさせる。高い知性と豊かな創造性を養う。強い意志とたくましい体力を培う。