落語家

一年後、二年後、
三年後…、自分が
どうなっているかを
常に考えています。


落語快楽亭一門

快楽亭ブラ坊さん 32歳

Kairakutei Burabou


出身学校 松山市立垣生中学校
愛媛県立伊予農業高等学校
松山大学卒

人生一度

「こんな面白い世界があるんだ!」

 高校のときはサラリーマンとか、普通に生きたくないと思っていました。変わったことをしてみたいとボーッと思っていました。農業高校だったので、いろんな視点でものを見られるようになりましたね。大学までずうっと松山で、卒業後、憧れの東京で花屋さんに資材を卸す会社に就職しました。
 そんな頃母親が「東京見物がしたい」と上京して来て観光したんですが、田舎者なんで普段はかないオシャレな靴をはいて来たんですよね。そしたら靴ずれを起こして、浅草で「もう歩けない」。ちょうど寄席が目の前にあって「落語でも聴いてみようか」と入って、初めて生で落語を聴いて「こんな面白い世界があるんだ!」とはまったんです。寄席に通ううちに聴いてみたいからやってみたい、人生一度だから入門したいとなったんです。いろんな人の落語を聴いて、「快楽亭ブラックが面白い!」志願して弟子入りしました。

落語は一人で何役も演じる話芸です

「自分の人生なので好きにやれば」

 アルバイトをしながら師匠の家に稽古に行って、師匠の落語会の手伝いをして、給金は「はいっ」と渡される。日にちや額は決まっていなかったんですが、生きていけましたね。6年間修行して2016年4月に二ツ目になりました。つらいと思ったことはないですね。不安を感じる人は入門しないでしょうね(笑)。親には「自分の人生なので好きにやれば」と言われました(笑)。
 今の仕事は3つあって、1つは近所の公民館や小屋を借りて自分で主催する会と、「ブラ坊さん、出てください」と依頼される会と、もうひとつは結婚式や敬老会などの司会です。落語は口伝で教わります。ボイスレコーダーを置いて師匠がやったのを何度も稽古して「師匠、覚えました」「やってごらん」OKが出たら「高座(舞台)にかけていいよ」の繰り返し。噺(はなし)のネタは50くらい。少ない方ですね。
 やりたい仕事に就けました。笑ってもらうのは当然として「次もお願いね」と呼んでもらえるとうれしいですね。僕の今のテーマは「できることならなんでもやります」。中高生には一歩踏み出す準備をしてほしいですね。やりたいことが見つかったときに一歩踏み出せたら、人生楽しいんじゃないかな。

箸やお札にもなる扇子と手ぬぐい

      

Q.仕事内容は?

A.人前で落語を演ります


Q.目指したきっかけは?

A.とにかくこれだ!!と思いました


Q.どうすればこの仕事に就くことができますか?

A.落語家には必ず師匠がいて、師匠に入門志願します


Q.うれしかったことは?

A.お客様に笑ってもらえたとき、また来年もと言われたとき


落語は江戸時代に成立した話芸で、最後に「落ち(サゲ)」がつくことから、「落とし話」と言われ「落語」になったとも言われています。扇子や手ぬぐいを使ってあらゆるものを表現する独特の演芸です。
東京には落語の大きな協会が4つあって、落語家は約400名いると言われています。「前座」「二ツ目」「真打(しんうち)」の身分制があり、名前には「三遊亭」「春風亭」「立川」「柳家」などがあります。上方(大阪)には約250名の落語家がいると言われていて、身分制はありません。名前には「笑福亭」「桂」などがあります。人間国宝に「柳家小さん」「桂米朝」(ともに故人)「柳家小三治」さんが認定されています。テレビの人気番組「笑点」は50年以上続いていて、今も高視聴率を誇っています。快楽亭ブラ坊さんは東京で活躍されている二ツ目の落語家です。

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